お尻の筋肥大が目的でも、ヒップスラストだけが正解とは限りません。スクワットも候補です。太ももも鍛えたいのか、スクワットの重量を伸ばしたいのかまで分けて選び、扱えたkgは種目ごとの前回と比べましょう。この記事は、脚の日にどちらを採用するか迷う人のためのガイドです。
まず「お尻」と「脚全体」の目的を分ける
ヒップスラストは背中をベンチなどで支え、股関節を伸ばして負荷を持ち上げる種目です。スクワットは立った状態から股関節と膝を曲げ伸ばしします。ここで紹介する研究は、バーベルを使うヒップスラストとバックスクワットの比較です。専用マシンや自重のグルートブリッジを同じ条件とは扱いません。
表は左右にスクロールできます。
| 優先したいこと | 選ぶ際の考え方 |
|---|---|
| お尻を優先したい | 両方が候補。ヒップスラストはお尻を中心にした種目として検討できる。準備のしやすさ、動作を再現できるかも確認する。 |
| お尻と太ももを一緒に鍛えたい | スクワットを候補にする。深さや負荷を毎回そろえられる条件を決める。 |
| スクワットの記録を伸ばしたい | スクワット自体の練習を残す。ヒップスラストで重い重量が挙がっても、代わりの実績にはならない。 |
| 器具が空かず予定を変えたい | 空いている器具で別種目として記録する。元の種目のkgをそのまま移さない。 |
これは目的を整理する表で、全員に共通する最適メニューではありません。「お尻に効く感覚が強い」ことと、長期的に筋肉が多く増えることも分けて考えます。
9週間の比較研究で分かったこと・分からないこと
Plotkinら(2023)の無作為化研究では、若い未経験者の男女34人が、バーベルのヒップスラストかバックスクワットを9週間実施しました。両群のセット数をそろえ、初週以外は週2回、各セット8〜12回で限界まで行う条件でした。
MRIで測った大殿筋(お尻の大きな筋肉)の成長は両群で同程度でした。一方、大腿四頭筋と内転筋群の成長はスクワット群が大きく、各種目の3RM(3回できる最大重量)は、その種目を練習した群で伸びやすい結果でした。最初の筋電図でヒップスラストの活動が高くても、成長量の優位を示すものにはなりませんでした。
ただし、少人数の初心者を対象にした短期間の結果です。両種目の効果が厳密に等しいと証明したわけではなく、上級者、専用マシン、異なる量・可動域への一般化には限界があります。両方を組み合わせる群もなく、「併用すると必ずもっと育つ」とは結論できません。
次の脚の日は、増やす前に配分を決める
以下は記録を比較しやすくする編集部の実践案で、研究で最適と検証された処方ではありません。すでにスクワットを続けられているなら、記事を読んだだけで全てを入れ替える必要はありません。
- 今回の優先事項を1つ決める。「お尻を優先」「脚全体」「スクワットの記録」のどれを見たいかをメモする。
- 選んだ種目を軽い負荷で確認する。安定して繰り返せる範囲を決め、痛みが出る条件を押し通さない。慣れない動作は指導者に確認する。
- 試す種目のセット数を、今のメニューの中で決める。併用するだけで総セット数が急増しないよう、他の種目も含めて見直す。
- 次回も比べられるよう、種目順、休憩、器具、動かす範囲をそろえる。変更点があれば記録する。
架空の配分例として、スクワット6セットの予定のうち3セットをヒップスラスト3セットに置き換えると、計6セットのままです。ただし同じセット数でも刺激や疲労が等しいわけではなく、この配分を推奨するものではありません。REPS LOGの初期セット数も個人の最適量の判定ではないため、実施予定に合わせて編集してください。
種目数を増やすか迷う場合は関連記事「筋トレは1部位週何セット?」、スクワットの実施条件は「スクワットはどこまでしゃがむ?」で確認できます。
重いkgで種目の優劣を決めない:記録例
次は架空の例です。重量はバーを含む合計、各3セット、余力は各セットRIR2(同じ動作であと2回できそう)と仮定します。負荷・回数・セット数の推奨ではありません。
表は左右にスクロールできます。
| 記録 | 重量と回数 | 読み方 |
|---|---|---|
| A:スクワット | 60 kg × 10/9/8回(計27回) | スクワットの実績。深さも残す。 |
| B:初めてのヒップスラスト | 80 kg × 10/9/8回(計27回) | 別種目の起点。Aより20 kg重くても、筋力向上や筋肥大の優位とは言えない。 |
| C:次回、Bと同じ条件 | 80 kg × 10/10/8回(計28回) | Bより第2セットが1回増えた。同条件での実績として記録する。 |
Cでは重量を増やさなくても進歩の手掛かりが残ります。ただし、動かす範囲が狭くなった、休憩を長くした、RIRが2から0になった場合は、その違いも考慮します。1回の回数増加だけで筋肥大を判定せず、まず同じ動作・同じ余力で繰り返せるかを確認しましょう。
ヒップスラストマシンへ移った場合も新しい起点です。バーベルとマシンの表示kgを直接比較せず、機種と重量の数え方を残します。詳細は関連記事「マシンの重量はどう記録する?」を参照してください。
REPS LOGでは種目と実施条件を分けて残す
バーベルなら「ヒップスラスト」、専用マシンなら「ヒップスラストマシン」を選びます。記録画面から「種目を追加」できます。最初のセットを保存する前に「実施条件を記録」を開き、使用する器具に合う項目を入力して「実施条件を保存」を押します。
表は左右にスクロールできます。
| 欄 | 入力例 |
|---|---|
| ジム・マシン識別 | Aジム・窓側ベンチ |
| シート・パッド位置 | 同じ高さの固定ベンチ、黒いバーパッド |
| 可動域・フォーム条件 | 足位置は床の目印に合わせる、前回と同じ上げ下げの範囲 |
各セットの重量・回数と、「強度・セット詳細」のRIRを残します。普段と違う種目順や休憩、終了理由はメモします。次回も使う実施条件は「メニュー」の編集にある「目標RIR・実施条件」に保存できます。
アプリはお尻の成長やフォームを自動測定しません。セットメモだけから条件を分離する機能もありません。次回の判断に必要なのは「どちらが重かったか」より、「選んだ種目を、同じ条件でどう行えたか」です。
よくある質問
お尻を鍛えるならスクワットをやめるべき?
やめる必要があるとは言えません。短期の初心者研究では両種目で大殿筋の成長が見られました。太ももも鍛えたいか、スクワットの記録を伸ばしたいかを含めて選びます。
本文の説明・根拠を確認する →ヒップスラストとスクワットは両方やった方がよい?
必ず併用する必要はありません。紹介した研究には併用群がなく、追加効果は不明です。試す場合は今のメニュー内の配分を決め、総セット数が急に増えないよう確認します。
本文の説明・根拠を確認する →参考資料と編集方針
- Plotkinほか(2023):Hip thrust and back squat training elicit similar gluteus muscle hypertrophy and transfer similarly to the deadlift
出版社公開の原著全文で方法・結果・限界を確認。若い未経験者34人、9週間、バーベル2種目の比較。上級者・専用マシン・併用の効果は直接検証していません。著者の一部にトレーニング関連事業の利益相反開示があります。DOI: 10.3389/fphys.2023.1279170。
参照日:
作成:REPS LOG(AI補助で作成)。研究の対象・期間による限界と、記録方法の例を区別しています。記事の編集方針
