筋トレの順番に迷ったら、その日に最も伸ばしたい種目を、必要なウォームアップの後、早い位置に置くのが出発点です。優先種目が決まっていなければ、多関節種目から補助種目へ進む順番を基本にします。ここではジムでメニューを組む人に向けて、順番の決め方と、器具の混雑で変更した日の記録の読み方をまとめます。

基本は多関節種目から。ただし優先する種目で調整する

多関節種目は、ベンチプレスや懸垂のように複数の関節を動かす種目です。単関節種目は、カールやレッグエクステンションのように主に一つの関節を動かす種目を指します。フリーウエイトかマシンかという分類とは別で、マシンのチェストプレスも多関節種目です。

NSCAジャパンのプログラムデザイン資料では、多関節から単関節へ進む順番とともに、重要性に基づく「優先的トレーニング」が示されています。「必ずフリーウエイトが先」「小さい筋肉は絶対に最後」と固定するより、まず優先する種目を明確にします。

たとえばベンチプレスの成績を追う日は、胸の種目の中でもベンチを先に置きます。インクラインダンベルプレスを優先するなら、それを先にする組み方もあります。この場合、後に回ったベンチの回数は、ベンチから始めた日と区別して読みます。

参考:NSCAジャパン:基本的なウェイトトレーニングの原則とプログラムデザイン(2006年)

胸・背中・肩と腕・脚の順番を決める例

以下は「優先する種目を先に置く」考え方を具体化した実践例です。研究で最適と確認されたメニューや、全種目を行う指示ではありません。セット数や重量は、普段の計画・経験・当日の状況に合わせて調整します。

表は左右にスクロールできます。

優先種目に合わせて組む順番の例
目的順番の例比較するときの注意
ベンチプレスを優先ベンチプレス → インクラインダンベルプレス → ケーブルフライベンチの前に胸・三頭筋の本セットを追加したら、その内容を残す
懸垂を優先懸垂 → ロウ系マシン → カール先にロウやカールを行った日の懸垂は別条件として読む
ショルダープレスを優先ショルダープレスマシン → サイドレイズ → 腕の補助種目腕を優先して先に行う日は、プレスの順番もメモする
スクワットを優先スクワット → レッグカール → レッグエクステンションこれは一例。脚の日すべての種目や必要量を示す表ではない

腕の種目の筋力を優先する期間なら、カールなどを先にする選択肢もあります。ただし「腕を先にすれば腕の筋肥大が必ず増える」とは言えません。優先種目の成績と、後に回す種目の成績を両方確認しましょう。

順番の研究では、筋力と筋肥大を分けて読む

Simãoら(2010)は、直近6か月に筋トレをしていない男性31人を2つの訓練群と対照群に分け、週2回・12週間、上半身4種目を通常順と逆順で比較しました。著者らは優先種目を早い位置に置くことを提案しています。ただし、訓練2群間の絶対1RM(1回挙げられる最大重量)と筋厚に有意差はなく、効果量や各群の前後変化を含む考察です。

この少人数の研究だけで、特定の順番が経験者全員の筋力や筋肥大を最大化するとは結論できません。腕の筋厚の結果も一貫せず、「最初に行えばその部位が最も大きくなる」という説明には使えません。

当日の回数については、Mirandaら(2010)の原著抄録で、筋トレ経験のある男性16人が上半身6種目を逆順にし、休憩1分と3分で比較しています。各種目3セット・8RM(8回が限界となる重量)の負荷で、早い位置の種目は概して回数を維持しやすく、休憩条件も影響しました。これは急性の実績の比較で、長期の筋肥大を測った結果ではありません。こちらは抄録で確認できる範囲の紹介です。

以下の記録表と判断手順は、これらの研究で検証された処方ではなく、比較条件を見失わないために編集部が整理した実践案です。

参考:Simãoら(2010):種目順と最大筋力・筋厚を比較した12週間の研究Mirandaら(2010):上半身種目の順番と休憩時間が反復回数に与える影響

順番を変えて回数が減った日は、同じ条件として比べない

次はベンチプレスの架空の記録例です。全日とも重量はバーを含む60 kg、本セット3セット、セット間休憩3分、各セットのRIRの見積もりは2とします。同じ器具・グリップ・可動域・テンポで、ベンチ前の準備も同じと仮定します。回数・重量・セット数・余力の推奨値ではありません。

表は左右にスクロールできます。

種目順が違う3日間のベンチプレス記録例
日/本セットの順番先に行った本セット60 kgの回数/合計読み方
A:1種目目なし10・9・8回/27回ベンチを先に行う日の比較の起点
B:2種目目インクラインダンベルプレス、片手20 kgで10回×3セット。終了からベンチの準備まで3分8・7・6回/21回Aとは前に行った運動が違う
C:1種目目なし10・9・8回/27回Aとそろえた条件で同じ実績

BはAより合計6回少ない記録ですが、これだけで筋力が低下したと判断しません。CではAと同じ実績を残せた、と読めます。ただし睡眠や体調なども変わり得るため、この3日だけでBの回数減の原因を順番と断定することもできません。

「2種目目」と書くだけでは、前に軽い準備をしたのか、胸を3セット行ったのか分かりません。先行する種目・重量・回数・セット数と、待ち時間の違いも残します。RIRは同じフォームであと何回できそうかという主観的な見積もりなので、迷った場合は無理に数値を作らず、その旨をメモします。

次回の順番は、この4段階で決める

  1. 優先種目を一つ決める。「ベンチの同重量での回数を追う」など、次に確認したいことを具体化する。
  2. 通常の順番を決める。優先種目を準備後の早い位置に置き、それ以外は慣れた計画を土台にする。
  3. 混雑で変更したら実際の順番と先行セットを残す。条件が変わった日の実績を、以前と同じ条件の記録更新と扱わない。
  4. 次回以降、同じ順番・器具・セット内容・休憩で行った複数回を比べる。重量・回数と余力を合わせて読み、変更理由を一つ残す。

毎回同じ器具が使えないなら、「ベンチを先に行う日」「インクラインを先に行う日」のように実施条件ごとに比較の起点を持つ方法もあります。順番を元に戻すこと自体を目的にせず、何を優先した日だったかが後で分かる記録にします。

REPS LOGで当日の順番と変更理由を残す

  1. 筋トレ中の「器具が空いていない・内容を変更」を開き、「今日の順番を調整」から「今日の順番」を開き、先に行う種目を選ぶ。矢印で今回の並び順も変更できる。
  2. 入力画面の「強度・セット詳細(任意)」を開き、「セットメモ」に実際の順番と先行セットを書く。例:「ベンチ2種目目。前にインクラインDB片手20kg・10回×3。終了から準備まで3分。ラック待ちで変更」。
  3. 重量・回数、必要なら「RIR(残せた回数)」を確認し、「このセットを記録」で保存する。次のセットでも休憩や条件が変わったら残す。
  4. 終了後は「履歴」で日付ごとのセット実績とメモを開き、同じ条件の日を探して比べる。次回も同じ順番を使うなら、保存済みの「メニュー」も見直す。

当日の並べ替えは、そのセッションだけの変更です。保存済みメニューは自動で書き換わりません。また一覧の並びだけで実施の経緯を完全に表せるとは限らないので、前後した理由や実際に先に行ったセットはメモで補います。

混雑時の変更操作は「ジムが混んでいる日の記録」、準備の組み方はウォームアップの記事にまとめています。記録を残した後の見直しには、休憩と停滞のガイドも役立ちます。

よくある質問

筋トレはマシンよりフリーウエイトを先に行うべきですか?

器具の種類だけで順番を決めず、優先する種目を準備後の早い位置に置きます。マシンにも多関節種目があり、フリーウエイトが必ず先とは限りません。

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ジムが混んで順番を変えたら、前回と回数を比べられませんか?

実績として残せますが、同じ条件としては比べません。先に行った種目・重量・回数・セット数、休憩の違いを書き、次回以降の同じ条件の日と比較します。

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参考資料と編集方針

  1. NSCAジャパン:基本的なウェイトトレーニングの原則とプログラムデザイン(2006年)

    Thomas R. Baechleによる講演概要。50ページのエクササイズの順序を参照。優先順位と多関節から単関節という基本を説明する資料で、特定メニューの効果を検証した実験ではありません。

    参照日:
  2. Simãoら(2010):種目順と最大筋力・筋厚を比較した12週間の研究

    出版社の全文で対象者・方法・結果・考察を確認。直近6か月に筋トレをしていない男性、上半身4種目、限界までのセット。訓練2群間の絶対1RM・筋厚に有意差はなく、経験者や全身の筋肥大へ一般化できません。

    参照日:
  3. Mirandaら(2010):上半身種目の順番と休憩時間が反復回数に与える影響

    原著抄録を確認。筋トレ経験のある男性16人、上半身6種目、各3セット・8RM、休憩1分と3分の急性比較。全文は未確認であり、抄録に記載された範囲のみ紹介。長期の筋肥大を示す資料ではありません。

    参照日:

作成:REPS LOG(AI補助で作成)。研究の対象・期間による限界と、記録方法の例を区別しています。記事の編集方針