トップセットは、その日の種目で比較的重い重量を扱う本セット。バックオフは、その後に休憩を挟み、重量を下げて行う本セットです。何%下げるかだけで決めず、後半に何回・どの余力で行いたいかを先に決めます。普段のベンチプレスやスクワットに取り入れたい人に向けて、重量の調整と次回に使える記録を整理します。
トップセット・バックオフ・ドロップの違い
ここでのトップセットは、ウォームアップの後に行う、その日の種目の重い本セットを指します。毎回の最高記録への挑戦や、1回しか挙がらない限界重量のテストという意味ではありません。バックオフも準備運動ではなく、目的を持って行う本セットです。
表は左右にスクロールできます。
| 方法 | 実施の仕方 | 比較する記録 |
|---|---|---|
| トップセット | ウォームアップ後、予定した重い重量で本セットを行う | 重量・回数・余力 |
| バックオフ | トップの後に休憩し、軽い重量で本セットを行う | 下げた重量・各セットの回数・余力・休憩 |
| ストレートセット | 本セットを同じ重量で繰り返し、セット間は休憩する | 同じ順番のセット同士 |
| ドロップセット | 限界付近まで行い、通常のセット間休憩を挟まず重量を下げて続ける | 一連の実施と、その中の段階 |
トップとバックオフで回数をそろえる組み方も、後半の回数を増やす組み方もあります。Stronglifts 5×5の公式説明は、重い1セットと軽い4セットをすべて5回で行う設計です。これは特定のプログラムの構成であり、全員が5セット・5回に合わせる必要はありません。
参考:Stronglifts公式:Top/Back-Off vs Straight Sets on Stronglifts 5×5
何%下げる?目標回数と余力から決める
誰にでも適した減量率は、この後に紹介する研究からは決められません。トップの回数を後半も続けたい場合と、後半を高回数にしたい場合では条件が異なります。普段の同じ種目の記録を出発点にして、回数、余力、休憩、セット数を一緒に決めます。
- トップとバックオフそれぞれの目標回数と、残したい余力を決める。余力はRIR(同じフォームであと何回できたと思うか)で残す。RIR 2なら「あと2回」の自己評価。分からなければ未記録でよい。
- 本セットの合計数と休憩を先に決める。たとえば「トップ1+バックオフ3」の計4セットとし、いつもの本セットをどう置き換えるかを考える。
- 慣れたウォームアップを行ってからトップを実施する。予定以上にきつかった場合は、その結果を踏まえて後半の重量・回数・セット数を見直す。
- 休憩後、予定した軽い重量でバックオフを行い、回数とRIRを確認する。目標を大きく外れたら重量や休憩を調整し、変更理由を残す。
この割合の基準はトップで使った重量です。「トップの90%」と「1RM(1回だけ挙げられる最大重量)の90%」は別です。また、後半の全セットを毎回10%ずつ下げる計算とも異なります。重量はバーを含む合計など、普段の記録単位をそろえます。
フォームが崩れる、痛みが出る、安全に終了できない場合は、予定の回数を埋めるために続けないでください。高重量の経験が浅い場合は、トップセットという名称を理由に重くせず、扱い慣れた重量と通常のセット構成を優先します。
研究で分かるのは「量の調整」。優越性や最適な割合ではない
Helmsら(2018)の3週間の研究では、競技パワーリフター12人(男性9人・女性3人)が、トップ後の重量を2%・4%・6%下げる条件を経験しました。順序を参加者間で調整し、セット間は3分休憩、後半も所定の回数を行い、RPE(主観的なきつさ)が設定値に達したら終了する方法でした。
3種目を合計した相対的な総負荷量は、重量を大きく下げた条件で多くなりました。ただし、種目や実施日による違いもありました。これは重量の下げ幅が、その方法で実施できるトレーニング量に影響するという結果です。
筋肥大や長期的な筋力の伸びを比較した研究ではなく、通常の固定セット数より優れているとは判断できません。競技者の少人数の結果で、初心者やすべての種目への一般化にも限界があります。「6%が最適」「軽くするほど成長する」という結論にはなりません。
記録例:80 kgのトップと72.5 kgのバックオフを分ける
以下はベンチプレスの架空の記録です。バーを含む合計重量、同じ器具・可動域、各本セットの前に3分休憩した例とします。トップは5回、バックオフは各7〜8回・RIR 2を目安に計画し、ウォームアップは別に記録します。重量、休憩、回数は例であり、万人向けの最適値ではありません。
表は左右にスクロールできます。
| 順番・役割 | 合計重量 | 実績 | RIR |
|---|---|---|---|
| 1:トップ | 80 kg | 5回 | 2 |
| 2:バックオフ1 | 72.5 kg | 8回 | 2 |
| 3:バックオフ2 | 72.5 kg | 8回 | 2 |
| 4:バックオフ3 | 72.5 kg | 7回 | 2 |
メモは「トップ5回/後半7〜8回/本セット間3分/同じ可動域」など。3セット目だけ器具待ちで5分空いた場合は、そのセットに追記します。入力した時刻だけで、実際の休憩を測れたことにはしません。
トップは5回、バックオフは計23回。後半を24回へ増やせても、80 kgでできる回数が増えたとは限りません。逆にトップの重量を上げた日は、後半に入るまでの条件も変わります。総回数や総負荷量だけにまとめず、役割ごとの実績を残します。
次回はトップとバックオフを別々に判断する
まず、種目・器具・可動域・順番・休憩・RIRが比較できる条件かを確認します。そのうえで、どちらを変えるかを一つに絞ると振り返りやすくなります。以下は前の記録例からの判断案です。
表は左右にスクロールできます。
| 今回の結果 | 読み方 | 次回の案 |
|---|---|---|
| トップは80 kg×5回・RIR 2で同じ。後半は8・8・8回・RIR 2になった | 後半が計23→24回。トップとは分けて評価する | 同じ条件で再現できるかを確認し、後半の重量を変えるか検討する |
| トップで予定より余力がなく、後半も目標に届かない | 当日の条件では計画がきつかった可能性 | 次回のトップ重量や後半の量を見直す。無理な再挑戦や追加セットで埋めない |
| トップの重量を増やしたところ、後半の回数が減った | 後半の前提条件が変わった | 元のトップ重量の日と単純比較せず、変更後の組み合わせで記録を積む |
| 後半の回数が増えたが、休憩を延ばしていた | 休憩条件も変化している | 休憩を記録し、回数だけで増量を決めない |
予定のセット数を超えて重量を下げ続ければ、記録量は増やせます。しかし、それだけで前回より良いトレーニングとは判断できません。後の種目や次回の動作・実績も確認し、必要なら量を戻します。通常のセット構成で比較しやすく続けられているなら、必ず切り替える必要はありません。
REPS LOGでは各セットに役割を付ける
- 種目の「セット編集」で必要な本セット数に整える。行が足りなければ「セットを追加」で補い、ウォームアップは本セットと分ける。
- 重量・回数を入力し、「強度・セット詳細」の「セットの役割」で最初の本セットを「トップセット」、後半の各行を「バックオフ」にする。RIRも判断できる範囲で残す。
- 「セットメモ」に「後半1/目標7〜8回/休憩3分」など、役割の中の順番と条件を書く。保存後は次の未完了セットへ進むので、次の行の重量・回数・役割を確認する。役割が自動で引き継がれる前提にしない。
- 記録済みの重量・回数はタップで修正できる。トレーニング終了後に役割やメモも見直す場合は、「履歴」で対象記録を開き、セットの鉛筆アイコンから編集する。
アプリはトップから一定割合を引いた重量を自動処方しません。また、トップセット・バックオフを選択しているときは通常の増量候補を表示しません。前回表示はセットの役割を自動で対応付けるものではないため、順番を変えた日は履歴の役割・メモも確かめます。
まず次の1種目で、重量・回数に「トップか、後半の何セット目か」を添えてみてください。トップが据え置きでも後半の回数が伸びた、休憩が変わっていた、といった違いを次の計画に使えます。
よくある質問
バックオフは毎セット重量を下げますか?
必須ではありません。この記事の例ではトップ後に一度下げ、後半3セットは同じ重量です。毎セット下げた場合は、その実際の重量と変更理由を各行に残します。
本文の説明・根拠を確認する →参考資料と編集方針
- Helms et al. (2018). Rating of Perceived Exertion as a Method of Volume Autoregulation Within a Periodized Program
AUTの機関リポジトリにある採択原稿の方法・結果・限界を確認。JSCR 32(6):1627–1636、DOI:10.1519/JSC.0000000000002032。競技者12人・3週間の総負荷量の研究で、筋肥大や固定セット方式への長期的優越性は未検証。
参照日: - Stronglifts公式:Top/Back-Off vs Straight Sets on Stronglifts 5×5
プログラム提供元の公式説明。トップ1+バックオフ4を各5回とする用語・構成の具体例のみ参照。記事内の効果説明を普遍的な科学的結論として採用しない。
参照日:
作成:REPS LOG(AI補助で作成)。研究の対象・期間による限界と、記録方法の例を区別しています。記事の編集方針
