デロードは、次のトレーニングに備えて、一定期間トレーニングの負担を意図的に減らす調整です。完全に休むことだけを指すわけではありません。普段の練習を続けるか、軽くする週を入れるか迷う経験者に向けて、減らす項目・記録する内容・戻すときの確認手順をまとめます。
減らした内容を見える形に
普段の内容
例:60 kg × 8回を3セット。
調整した内容
例:50 kg × 8回を2セット。重量とセット数を分けて記録します。
再確認して戻す
再確認日は目安。動作と最初の本セットを見て、何を戻すかを記録します。
重量の減少率とセット数の減少率は足せません。この例は最適なディロード量の処方ではありません。
デロードは「完全に休む週」と同じではない
デロード(ディロードとも表記)は、疲労への配慮と、その後の練習への準備を目的にトレーニングの負担を下げる期間です。毎週の通常の休養日や、試合でピークを合わせるためのテーパリングとは、計画上の目的が異なります。
Bellらの2023年の研究は、コーチへの3段階の質問調査で設計の考え方を整理しました。初回34人、最終回21人が参加し、セット数・回数・頻度などの調整について合意を得ています。ただし、これは実践者の意見をまとめた研究で、特定の減らし方の効果を比較した実験ではありません。
1週間休むと、筋力や筋肉はどうなる?
Colemanらの2024年の実験では、筋トレ経験のある男女50人を割り付け、39人が9週間の計画を完了しました。途中の第5週に筋トレを完全休止する群と、継続する群を比較しています。下半身の練習は監督下で行い、上半身は自主実施という条件でした。
研究期間全体で、下半身の筋サイズの増加には目立った群間差がなく、筋力の向上は継続群で大きい結果でした。「1週間休むと筋肉が落ちる」「休めば必ず筋力が上がる」のどちらも、この結果からは言えません。
この実験は、あらかじめ決めた週に完全休止する方法を調べています。疲労の状態に合わせて時期を変える方法や、重量・セット数だけを減らす方法は検証していません。若い経験者の短い計画で、測定対象も下半身です。以下は自分の調整を振り返るための実践案で、実験で最適と証明された処方ではありません。
軽くする前に、何を減らすかを決める
一度回数が落ちたことだけで、デロードが必要とは決めません。同じ種目・器具・動作範囲で行った複数回の記録を見て、普段と比べた回数やRIR、睡眠や生活の変化も確認します。RIRは同じフォームならあと何回できそうか、という主観的な余力です。
表は左右にスクロールできます。
| 項目 | 決めて残すこと | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 理由 | 例:同条件でも後半セットの余力が減ったため、軽くして様子を見る | 記録だけで疲労の原因や病気を診断しない |
| 減らす項目 | セット数・回数・重量・頻度・追い込み度のどれを変えるか | 重量だけ下げ、限界までの回数を増やさない |
| 期間 | 調整を始める日と、状態を再確認する日 | 1週間を必須の期間や自動終了日と考えない |
| 比較条件 | 種目・器具・可動域・テンポ・休憩を記載 | 新種目を大量に足して比較できなくしない |
症状がなく、練習の負担を調整したい場合は、慣れた種目で実施量を減らす案を考えられます。痛みや体調不良が続く場合は「疲労抜きで治る」と扱わず、練習の調整だけで済ませずに医療機関などへ相談してください。
通常時・軽めの日・再開時を分ける記録例
次は同じベンチプレスを同じ器具・動作範囲・休憩条件で行った、1種目分の架空例です。重量はバーを含む合計、本セットのみを示し、準備セットは含めません。実施を勧める重量・回数・期間ではありません。
表は左右にスクロールできます。
| 段階 | 実績 | 各セットのRIR | 残すメモ |
|---|---|---|---|
| 通常時 | 60 kg × 8回 × 3セット | 2・1・1 | 通常の比較基準 |
| 軽めの日 | 50 kg × 8回 × 2セット | 4・4 | デロード。重量とセット数を減らした |
| 再開初回 | 55 kg × 8回 × 2セット | 3・3 | 動作を確認し、元の全量にはまだ戻していない |
通常時から軽めの日への変更は、重量を60 kgから50 kgへ約16.7%、本セット数を3から2へ約33.3%減らしています。別々の項目なので、「全体の負担が50%減った」と足し算はしません。準備セットや他の種目も含め、実際に何を行ったかを残します。
表は左右にスクロールできます。
| 段階 | 計算 | 記録上の合計 |
|---|---|---|
| 通常時 | 60kg×8回×3セット | 1440kg |
| 軽めの日 | 50kg×8回×2セット | 800kg |
| 再開初回 | 55kg×8回×2セット | 880kg |
1440から800への減少率は(1440−800)÷1440×100=約44.4%です。この計算は入力重量×回数の集計であり、疲労・筋刺激・回復を44.4%変えたという意味ではありません。重量の約16.7%減とセット数の約33.3%減を足す方法とも異なります。
通常のトレーニングへ戻すときの3つの確認
表は左右にスクロールできます。
| 確認できた状態 | 次の対応の候補 | 残すこと |
|---|---|---|
| 準備と最初の本セットで動作・余力が想定内 | 何を戻すかを決め、段階的に確認 | 戻した重量・セット数と各RIR |
| 普段よりきつく、動作を保ちにくい | 予定量に戻すことを優先せず、軽め継続や休養を検討 | どの動作・セットで違ったか |
| 痛みや体調不良が続く | 負荷を上げて確かめず、専門家に相談 | 症状に配慮し、記録更新を優先しない |
- まずは慣れた準備動作で、その日の動作や体調を確認する。再確認日が来たという理由だけで、元の重量・セット数へ一度に戻さない。
- 最初の本セットで、フォーム・回数・余力が想定と大きく違わないかを見る。問題なく行えた場合も、重量とセット数をどう戻したかが追えるよう、変更内容を残す。
- 普段より著しくきつい状態が続く、または動作に問題がある場合は、予定量を強行しない。軽めを続ける・休む・指導者に相談するなど、次の対応を見直す。
「筋肉痛がない」「気分がよい」など一つの感覚だけで回復完了とは判断できません。記録は疲労測定器ではありませんが、通常時の条件で再びどう動けたかを振り返る材料になります。デロードを終えた直後の自己ベスト更新を、成功の必須条件にしないでください。
REPS LOGで軽めの日を混同せずに残す
- 筋トレ中の「セット編集」で、その日に実施しない未完了セットを削除して数を調整する。その日のセット変更は、普段使う保存済みメニューとは分かれています。
- 重量・回数には実績を入力し、「強度・セット詳細(任意)」の「RIR(残せた回数)」と「セットメモ」に余力・変更理由を残す。例:「デロード。重量と本セット数を減らした。次回、同じ器具で状態を再確認」。
- 軽い本セットも本セットとして記録する。軽いという理由だけでウォームアップ扱いにせず、実施していないセットを0回の実績として埋めない。
- 「履歴」で通常時・調整中・再開時を見比べる。重量だけでなく、セット数・RIR・メモも確認する。
専用のデロードモードや、回復度の自動判定はありません。「今日の候補」もデロード用の重量を計算する機能ではなく、軽めの日が前回比較の対象になることがあります。候補をそのまま達成目標にせず、目的に合う重量・回数を自分で入力してください。不要な場合は「設定」の「理由つきの候補を表示」をオフにできます。
RIRとメモはセットごとの情報です。保存前に内容を確認し、次のセットにも必要な情報を入力します。筋トレ中に記録済みセットをタップして開く画面では重量・回数を修正できます。RIRやメモを直す場合は、トレーニングを保存して終了した後、「履歴」で該当日のセット編集を開きます。
記事上部の「アプリで次回メモに残す →」から、例を自分の確認点に編集し、「ガイドとメモを保存」を押せます。保存後は「今日のメニューを選ぶ」へ、記録中なら「記録中のトレーニングに戻る」へ進めます。保存先はこのブラウザです。メニュー・重量・回数は自動変更しません。
次回は「今日」の保存メモ、または記録中の「ガイドメモ」から読み返します。試した結果と次の確認点は「メモを編集」で残せます。「試したことにする」はメモの整理で、筋トレの実績登録とは別です。
再確認する日を残したい場合は、メモ保存後の「次回の予定も決める」から予定を設定できます。予定日になっても自動でデロードを終了したり、重量を元に戻したりはしません。
よくある質問
デロードは筋トレを完全に休むことですか?
完全休止だけを指すわけではありません。一定期間の負担を減らす調整で、セット数・回数・重量・頻度などを変える方法もあります。何を減らしたかを記録に残します。
本文の説明・根拠を確認する →デロードは必ず1週間、何週間かごとに必要ですか?
全員に共通する期間や頻度は決められません。研究で使われた1週間を、そのまま個人の最適期間とは扱わず、変更理由と再確認日を決めて状態を見直します。
本文の説明・根拠を確認する →デロード明けは元の重量とセット数にすぐ戻しますか?
日数だけで決めず、準備動作と最初の本セットでフォーム・回数・余力を確認します。元の重量と全セット数を一度に戻す必要はなく、何を戻したかも記録します。
本文の説明・根拠を確認する →参考資料と編集方針
研究の対象者・条件・期間と、本文の適用範囲を確認してください。抄録のみを確認した資料は下記に明示しています。図解の数値は説明用の例で、研究参加者や利用者の実績ではありません。
- Bellら(2023):デロード設計に関する国際Delphi合意研究
大学リポジトリの公開PDF全21ページの方法・合意項目・限界を再確認。コーチ34→29→21人の3段階Delphi。設計原則の合意であり、特定の減量率・日数・本文の再開判断表の有効性を検証した介入試験ではありません。
参照日: - Colemanら(2024):9週間の筋トレ計画中に1週間完全休止した実験
大学リポジトリの原著全文の方法・結果・限界を確認。50人を割り付け39人が完了。若い経験者と下半身の評価、事前に決めた完全休止という条件。軽い練習を続ける方法や長期的な効果へ一般化しません。
参照日:
作成:REPS LOG(個人運営)。AI補助で作成し、専門家の監修は受けていません。資料の確認範囲は上の注記に示しています。制作・確認の手順と訂正方針をご覧ください。
