ふくらはぎを鍛えるカーフレイズを一つ選ぶなら、腓腹筋の筋肥大を狙う場合は膝を伸ばした立位を候補にできます。ただし、座位が無意味ということではありません。ジムで立位と座位のどちらをメニューに入れるか迷う人に向けて、研究で分かる違いと、次回も比べられる記録の残し方をまとめます。

立位と座位の違いは、まず膝の姿勢

カーフレイズは、足首を使ってかかとを上げ下げする種目です。ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)は膝と足首をまたぎ、ヒラメ筋は膝をまたぎません。膝を伸ばすか曲げるかで、腓腹筋の長さが変わります。

表は左右にスクロールできます。

今回扱う2種類のカーフレイズ
種類姿勢の違い記録で見分ける点
スタンディング(立位)立ち、膝を伸ばした姿勢で行う。膝の曲がり方、支持の方法、使った機器。
シーテッド(座位)ここでは膝を約90度に曲げた座位を指す。膝の角度、太もものパッド位置、足の置き方。

「座っている」だけでは同じ条件とは限りません。座席に座っていても膝を伸ばすカーフエクステンション機器は、この記事の膝を曲げた座位と区別します。機器名に加え、実際の膝の姿勢を残してください。

参考:Kinoshitaら(2023):立位・座位カーフレイズの筋肥大を比較した原著論文

比較試験では腓腹筋は立位が有利。ヒラメ筋の差は確認されず

Kinoshitaらの2023年の研究は、未トレーニングの健康な成人14人が、片脚を立位・反対脚を膝90度の座位で12週間、週2回鍛える比較です。基本は10回×5セットで、最初の2回はセット数を減らし、上げ下げ各2秒・休憩2分で実施。監督者の補助もあり、一般利用の目標セット数を定めた試験ではありません。

MRIで測った腓腹筋の体積増加は立位の方が大きく、ヒラメ筋は両条件で増加し、条件間の有意差は認められませんでした。「ヒラメ筋を育てるには座位が必須」とまでは言えません。

少人数の未経験者を対象とし、非トレーニング対照群はなく、測定誤差もあります。筋肥大を調べた試験なので、上級者の長期的な結果、走力・跳躍力、痛みの改善へそのまま一般化できません。立位と座位の併用が単独より優れるかも、直接は検証していません。

参考:Kinoshitaら(2023):立位・座位カーフレイズの筋肥大を比較した原著論文

次の脚トレでは、種目を増やす前に一つ選ぶ

ここからは研究の結論そのものではなく、種目選びと記録を整理するための実践案です。全員に共通する最適な処方ではありません。

  1. 目的を決める:腓腹筋の筋肥大が優先で、立位を安定して行えるなら立位を候補にする。
  2. 使える器具を確認する:膝を曲げた座位を選ぶ場合も、その条件で記録を積む。両方を同日に追加する必要はない。
  3. 軽い負荷で準備する:機器の使用表示に従い、支持・パッド・足の位置を合わせる。痛みが出る動作を我慢して続けない。
  4. 比較する動作を決める:かかとを下ろす位置と上げる位置、膝の姿勢、反動の使い方を次回も照合できる言葉で残す。無理に深く下ろすことを目標にしない。

回数を増やすために膝を大きく曲げたり、かかとの動く範囲を短くしたりすると、前回と違う動作になります。可動域を変えること自体と、同じ条件で回数が伸びることを分けて考えます。

立位40 kgと座位40 kgを、同じ負荷として比べない

マシンはプレート以外にも抵抗があり得ます。たとえばHammer StrengthのPL-CALFは、公式仕様に始動抵抗が別項目で示されています。この機種の値を別のカーフ機器へ転用せず、使用する機器の表示と重量の数え方を確認してください。

記録には「プレート合計」「スタック表示」などの意味を添えます。REPS LOGの「シーテッドカーフレイズ」はプレート合計、「カーフレイズマシン」はスタック表示のカタログ項目です。アプリの重量単位を確認し、始動抵抗を独自に加えたり引いたりして過去の入力基準を混ぜないようにします。

立位と座位、機種、両脚と片脚が変わった日は、その条件の新しい起点です。入力kg×回数を合計しても、種目間の筋肉への負荷を等価に換算したことにはなりません。

参考:Hammer Strength:Plate Loaded Seated Calf Raise(PL-CALF)公式仕様

記録例:回数が増えた日と、動作が変わった日を分ける

以下は架空の例です。重量・3セット・回数・休憩は推奨値ではありません。A〜Cは同じ立位のスタック式機器を両脚で使い、同じ順番・休憩で実施したものとします。RIRは「同じ動作であと何回できそうか」の自己推定です。

表は左右にスクロールできます。

架空の記録:合計回数だけで成長を判定しない
記録実績と条件次回の判断
A:立位の起点表示40 kg/12・11・10回=33回。膝と可動域を一定にし、RIRは2・2・1。この機器・動作の基準として残す。
B:同じ動作で実施表示40 kg/12・12・10回=34回。膝・可動域・RIRはAと同じ。Aより合計1回増。同じ動作で積み重ねられるか確認する。
C:途中からかかとの下げ幅が浅い表示40 kg/15・13・12回=40回。動作範囲が変わった。Bより6回多いが、同条件の更新とは数えない。
D:膝を曲げた座位へ変更別機器のプレート合計20 kg/12・11・10回=33回。A〜Cの重量と比較せず、座位の起点にする。
  1. 前回と種目・機器・重量単位・膝の姿勢・両脚/片脚が同じか確認する。
  2. 同じなら、かかとの動く範囲、テンポ、休憩とRIRも照合して各セットを比べる。
  3. Cのような日は、次回は再現できる動作へ戻すか、別の動作条件として明示する。Bのように条件がそろい、自分で決めた回数目標を満たしたときに増量を検討する。

回数の伸びはトレーニングの実績です。それだけで腓腹筋やヒラメ筋が何%増えたかを判定することはできません。

REPS LOGで、次回も再現できる条件を残す

  1. 「メニュー」で「シーテッドカーフレイズ」「カーフレイズマシン」「スミス・カーフレイズ」など、実際の器具に合う種目を選ぶ。名称だけで立位・膝の姿勢を決めつけない。
  2. 「目標RIR・実施条件」を開く。「ジム・マシン識別」に機器名・番号、「シート・パッド位置」に設定、「可動域・フォーム条件」に膝と足首の動作を残す。
  3. 記録時は重量・回数を入力する。「強度・セット詳細」でRIR、実施した側、テンポやセットメモを必要に応じて残す。
  4. 器具が埋まっていて当日だけ変えるなら「器具が空いていない・内容を変更」から「別の種目に差し替える」。別機器の負荷を確認してから記録する。

前回比較は種目・重量単位・実施条件などを使いますが、セットメモを書くだけで自動的に別条件へ分類されるわけではありません。RIRや実施した側も自分で照合してください。判断に迷ったら、下の重量の記録・テンポ・増量タイミングのガイドで確認できます。

よくある質問

シーテッドカーフレイズはやらなくてもよいですか?

両方が必須とは言えません。比較試験は立位と座位の併用を検証していません。腓腹筋の筋肥大を狙うなら立位が候補になりますが、使える器具と再現できる動作に合わせて選びます。

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座位より立位の重量が重ければ、筋力が伸びたと考えてよいですか?

姿勢・機器・重量の意味が違うため、その数値だけでは判定できません。同じ機器と膝の姿勢、動作範囲での回数・余力を比べてください。

本文の説明・根拠を確認する →

参考資料と編集方針

  1. Kinoshitaら(2023):立位・座位カーフレイズの筋肥大を比較した原著論文

    全文の対象者・訓練条件・MRI評価・結果・限界を確認。未トレーニング成人14人、12週間の脚間比較。上級者・併用・競技能力への効果を直接示すものではありません。

    参照日:
  2. Hammer Strength:Plate Loaded Seated Calf Raise(PL-CALF)公式仕様

    機種と始動抵抗が独立した仕様項目であることを確認。メーカーの筋肥大・競技能力の宣伝表現は根拠に使用していません。

    参照日:

作成:REPS LOG(AI補助で作成)。研究の対象・期間による限界と、記録方法の例を区別しています。記事の編集方針