筋肥大を目指すなら、回数を8〜12回だけに限定する必要はありません。まずは同じ動作を繰り返せて、セット終了時の余力を判断しやすい回数帯を選びます。この記事は、メニューの目標回数を決めたい人に向けて、研究で分かることと、次回に比較できる記録方法を整理します。
回数帯より先に比較条件を確認
目的と回数帯
筋力・筋肥大などの目的と、自分が続けられる条件を分けて考えます。
重量・回数・余力
軽い高回数でも重い低回数でも、実績とセットの余力を残します。
変更後を起点に
例:15kgで20・18・16回から、次回20・19・17回。同じ回数帯・動作・RIRで比べます。
重量×回数が多いだけでは、筋肥大効果が高いとはいえません。
レップレンジとは?回数と余力を分けて考える
レップは動作を繰り返す回数、レップレンジは「8〜12回」のような目標回数の範囲です。ここではウォームアップではなく、筋肥大を目的に行う本セットの回数を扱います。
「10回行った」と「10回が限界だった」は別の記録です。同じ重量でまだ何回もできそうな10回と、同じフォームではもう続けられない10回は、回数だけでは区別できません。RIRは、同じ動作ならあと何回できそうだったかの推定値です。
8〜12回と高回数を比べた研究から分かること
Mortonら(2016)は、筋トレ経験のある若い男性49人を対象に、12週間のトレーニングを比較しました。重い負荷で8〜12回の群(約75〜90%1RM)と、軽い負荷で20〜25回の群(約30〜50%1RM)が、いずれも各セットを自発的な限界まで行いました。除脂肪量と測定した筋線維断面積は両群で増え、群間に有意な差は認められませんでした。
Mitchellら(2012)は、筋トレ未経験の若い男性18人の脚を異なる条件に割り当て、膝を伸ばす運動を10週間行いました。30%1RM・3セット、80%1RM・1セット、80%1RM・3セットを疲労による限界まで行う条件では、大腿四頭筋の筋体積の増加に有意な群間差は認められませんでした。小規模で、片脚の特定種目を使った研究です。
この2件は「高回数は筋持久力だけで、筋肥大には使えない」という単純な区分には当てはまりません。ただし、有意差がないことは完全に同じ効果の証明ではありません。若い男性の限界まで行う条件から、すべての年齢・性別・種目や、余裕を大きく残した軽いセットへ結論を広げることはできません。
最大筋力も同じ結論とは限りません。Mortonらではベンチプレスの1RM増加は重い群で大きい結果でした。筋肉を大きくする目的と、特定種目で1回の最大重量を伸ばす目的は分けて考えます。
参考:Mortonら(2016):経験者における高重量・低重量トレーニングの比較、Mitchellら(2012):負荷とセット数が筋体積の変化に及ぼす影響
目標回数は、動作と続けやすさから選ぶ
まずは慣れた1種目で、比較できる回数の範囲を一つ決めます。たとえば8〜12回や12〜20回は設定の例であり、全員に共通する最適値ではありません。今の回数帯で動作が安定し、継続できているなら、軽い重量でも筋肥大できると知っただけで変更する必要はありません。
表は左右にスクロールできます。
| 現在の状態 | 見直すこと |
|---|---|
| 重くすると反動や動作の省略が増える | 回数だけを達成扱いにせず、重量を下げて同じ動作を保てるか確認する。 |
| 高回数だと息切れで先に止まる | 狙った筋群の余力を評価できたかメモする。休憩や回数帯を見直し、息切れをRIR 0と決めつけない。 |
| 器具の重量刻みが大きい | 次の重量を無理に使う前に、今の重量で扱える回数の範囲を検討する。 |
| 1回の最大重量を伸ばしたい | 筋肥大の回数選びとは目的を分ける。高回数だけで最大重量の練習を置き換えない。 |
セット終盤の熱さや苦しさだけでは、あと何回できるかは分かりません。RIRが判断しにくい日は無理に数値を決めず、「息切れで終了」「余力は不明」と残せます。痛みが出た場合は、目標回数を埋めることより中止・見直しを優先してください。
回数帯を試すときは、種目、可動域、順番、休憩、セット数まで一度に変えない方が、何を変えた記録なのか整理しやすくなります。数回のトレーニングで扱いやすさを確認しても、それだけで筋肥大の大小を判定できるわけではありません。
全セットの上限・下限・余力を見て、次回を決める
次は目標15〜20回を選んだ場合の実践案です。研究が確定した合格基準ではありません。器具・動作範囲・順番・休憩をそろえたうえで、1セット目だけでなく本セット全体を見ます。
表は左右にスクロールできます。
| 今回の記録例 | 次回の検討 | メモに残すこと |
|---|---|---|
| 15kgで20・18・16回。予定した余力も残る | 同じ重量と回数帯で続ける候補 | 後半の実績・RIR |
| 15kgで20・20・20回。動作と余力も同じ基準 | 器具の刻みを確認し、小さな増量を検討 | 増量する理由・次の重量 |
| 15kgで18・14・12回。後半が下限未達 | 下限に合わせて実績を水増しせず、休憩・重量を見直す | 実際の回数、動作・余力・休憩の違い |
| 20回に届く前に息切れや握力で終了 | 対象部位の余力を断定せず、回数帯や条件の再確認 | 終了理由。RIR不明なら未記録 |
重量や回数帯を変えた日は、その変更を記録します。回数を増やすために可動域を短くしたセットは、同じ動作での達成と混ぜません。この表は「高回数なら毎回限界まで行う」という指示でもありません。
記録例:回数を増やした日を、そのまま成長と比べない
以下は、同じケーブルカールで目標を8〜12回から15〜20回へ変えた架空の例です。同じマシンの表示重量を使い、可動域・順番・セット間休憩はそろえたとします。重量や3セットという数は記録例で、推奨処方ではありません。
表は左右にスクロールできます。
| 条件 | 変更前 | 変更した日 |
|---|---|---|
| 目標回数 | 8〜12回 | 15〜20回 |
| 表示重量 | 20 kg | 15 kg |
| 1セット目 | 12回/RIR 2 | 20回/RIR 2 |
| 2セット目 | 11回/RIR 2 | 18回/RIR 2 |
| 3セット目 | 10回/RIR 1 | 16回/RIR 1 |
| 合計回数 | 33回 | 54回 |
| 表示重量 × 合計回数 | 660 kg | 810 kg |
20 ×(12+11+10)=660、15 ×(20+18+16)=810です。重量×回数の合計は増えていますが、この数値は筋肥大の量を測っていません。回数帯を変えた2日を比べて「810の方が効果が高い」「回数が増えたから筋力が伸びた」とは判断できません。
- 変更した日を15〜20回帯の比較の起点にする。目標を変えた理由と、息切れ・動作の違いも残す。
- 次回も同じ重量と実施条件で、各セットの回数とRIRを照合する。回数だけ増えても、前回より限界に近づいた結果かもしれない。
- 狙った回数と動作を保てないなら、休憩や重量など見直す条件を一つ選ぶ。
- その回数帯を続けると決めてから、上限達成時の増量を検討する。具体的な増量手順は関連ガイド「筋トレの重量を増やすタイミングは?回数・余力から判断する記録術」へ。
表は左右にスクロールできます。
| 15〜20回帯・同じ15kg | 変更した日 | 同条件の次回 |
|---|---|---|
| 各セットの回数 | 20・18・16回 | 20・19・17回 |
| 各セットのRIR | 2・2・1 | 2・2・1 |
| 合計回数 | 54回 | 56回 |
| 読めること | 新しい比較の起点 | 同条件で合計2回増。筋肥大を直接測った値ではない |
REPS LOGで目標と実績を分けて残す
- トレーニングを始める前にメニューを編集し、対象種目の「回数・下限」「回数・上限」を設定して保存する。15〜20回なら、下限15・上限20と入力する。
- 記録画面では、各セットで実際に使った重量とできた回数を入力する。目標に届かなかった場合も、実績どおりに残す。
- 「強度・セット詳細(任意)」で、判断できたセットのRIRを記録する。セットメモには「今回から15〜20回/休憩120秒/息切れなし」など、変更点と実施条件を残す。
- 次回は履歴の重量・回数に加え、メモとRIRを見直す。数字だけでは分からない、前回との条件差を確かめる。
次のトレーニングで残すのは、目標の範囲、各セットの重量・回数、判断できた余力、変えた条件です。「何回が正解か」で迷い続けるより、選んだ条件を次回にも読み返せる形にしておきましょう。
記事上部の「アプリで次回メモに残す →」から、例を自分の確認点に編集し、「ガイドとメモを保存」を押せます。保存後は「今日のメニューを選ぶ」へ、記録中なら「記録中のトレーニングに戻る」へ進めます。保存先はこのブラウザです。メニュー・重量・回数は自動変更しません。
次回は「今日」の保存メモ、または記録中の「ガイドメモ」から読み返します。試した結果と次の確認点は「メモを編集」で残せます。「試したことにする」はメモの整理で、筋トレの実績登録とは別です。
よくある質問
15回以上だと筋肥大せず、筋持久力だけになりますか?
そのようには区切れません。若い男性経験者が20〜25回を限界まで行った研究でも、測定した筋線維断面積は増えています。ただし、軽い重量で楽に終えたセットまで同じ結果になるとは言えません。
本文の説明・根拠を確認する →重量×回数の合計が増えたら、筋肥大の効果も高いですか?
その数値だけでは判断できません。回数帯を変えると合計も変わりますが、筋肥大を直接測ってはいません。変更後を比較の起点にし、同じ条件で各セットの回数・RIR・動作を照合します。
本文の説明・根拠を確認する →参考資料と編集方針
研究の対象者・条件・期間と、本文の適用範囲を確認してください。抄録のみを確認した資料は下記に明示しています。図解の数値は説明用の例で、研究参加者や利用者の実績ではありません。
- Mortonら(2016):経験者における高重量・低重量トレーニングの比較
PubMedの原著抄録・掲載図の説明を再確認。経験者男性49人・12週間、8〜12回と20〜25回を自発的限界まで実施。筋線維断面積等の群間差なしは完全な同等性の証明ではありません。今回も出版社/PMC全文は取得できず、抄録の範囲に限定しています。
参照日: - Mitchellら(2012):負荷とセット数が筋体積の変化に及ぼす影響
若い男性未経験者18人・10週間の片脚膝伸展運動。PMC掲載原著の抄録と対象者・方法の記述を確認。再アクセス時に認証画面となり全文通読は未完了のため、確認できた範囲の結果のみ紹介しています。小規模・特定種目の結果を全身の全種目へ一般化しません。
参照日:
作成:REPS LOG(個人運営)。AI補助で作成し、専門家の監修は受けていません。資料の確認範囲は上の注記に示しています。制作・確認の手順と訂正方針をご覧ください。
